AI研究者と哲学者による共著書『現代社会を生きるためのAI×哲学』(講談社)が出版された。京都大学の谷口忠大教授、東京大学の鈴木貴之准教授、同じく東京大学の丸山隆一教授の3名が、技術・哲学・社会という三つの視座からAIの本質と社会的影響を論じた一冊だ。
『現代社会を生きるためのAI×哲学』(出典:Ledge.ai)
技術・哲学・社会の三部構成
本書は三つの軸で構成されている。第一に「技術」として人工知能の技術的基盤を解説し、第二に「哲学」として意識、感情、人間性といったAIが問いかける根源的テーマを考察。第三に「社会」としてAIガバナンスや今後の制度設計の方向性を論じている。専門分野の異なる3名の著者がそれぞれの視点から執筆することで、技術偏重にも哲学偏重にもならない多角的な議論を実現している。
京都大学2026年度の指定教科書に
本書は京都大学の2026年度講義「人工知能と人間社会」の指定教科書に採用されている。京都大学の出口康夫教授は「生成AI革命」時代の必読書として推薦しており、AIエンジニアの安野貴博氏も技術の基礎と人間のアイデンティティについての哲学的探究を橋渡しする内容を評価している。
生成AI時代に求められるリテラシー
ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な普及により、AIと人間の関係を根本から問い直す必要性が高まっている。本書は技術者だけでなく、ビジネスパーソン、政策立案者、学生など幅広い読者を対象に、AI時代を生きるための知的基盤を提供することを目指している。AIの社会的影響を考える上で、技術と人文知の対話がますます重要になる中、時宜を得た出版といえる。
参考:Ledge.ai

