フランスのAI企業Mistral AIは2026年3月30日、大規模データセンターの建設・運営に向けて8億3000万ドル(約1240億円)の債務融資を獲得したと発表した。NVIDIA GB300 GPUを1万3800基稼働させる計画で、欧州最大級のAIインフラ投資として注目を集めている。
ブルターニュに200MW規模のAIデータセンター
資金は、フランス・ブルターニュ地方のブルターニュ・ル・シャテルに位置するデータセンター施設に投じられる。現在の容量44メガワット(MW)から、2027年までに施設全体で200MWのキャパシティへと拡張する計画だ。1万3800基のNVIDIA GPU「GB300」を搭載した「NVIDIA Grace Blackwell」インフラが稼働し、Mistral AIの独自モデル開発と管理型推論サービスを支える。
国際金融機関が参加──MUFGも
今回の融資は株式による資金調達(エクイティ)とは異なり、企業として返済義務を負う代わりに既存株主の持ち分が希薄化しないスキームだ。資金提供にはフランスのBpifrance、BNP Paribasに加え、英HSBCや日本の三菱UFJ銀行(MUFG)も参加している。
項目 | 内容 |
|---|---|
融資額 | 8億3000万ドル(約1240億円) |
施設所在地 | フランス・ブルターニュ地方 |
GPU | NVIDIA GB300 × 13,800基 |
現在の容量 | 44MW |
目標容量(2027年) | 200MW |
主要金融機関 | Bpifrance, BNP Paribas, HSBC, MUFG |
Mistral AIの軌跡
Mistral AIは2023年4月にGoogle DeepMindやMeta出身の3人の研究者が設立。不透明な「ブラックボックス型」AIに異議を唱え、オープンソースで高性能なAIモデルを通じて最先端の技術をすべての人に民主化することを掲げている。
最近では、NVIDIAが発表した最新AIチップ「Vera Rubin」の採用が明らかになるなど、AIインフラ面での存在感を急速に高めている。今回の大型融資は、欧州発のAI企業として米国・中国勢に対抗するインフラ基盤を構築する意志を明確に示すものだ。
留意点
債務融資は株式希薄化を避けられる一方、返済義務が生じるため、Mistral AIの収益化のスピードが問われることになる。また、巨額のインフラ投資がAIモデルの競争力向上にどこまで直結するかは、今後の事業展開次第だ。
参考:ITmedia NEWS

