東京拠点のAIスタートアップSakana AIは2026年3月24日、日本市場に特化した大規模言語モデル「Namazu」およびチャットサービス「Sakana Chat」を公開した。グローバルなオープンウェイトモデルを日本の文化的・政治的文脈に最適化するアプローチにより、従来モデルの課題であった日本語対応の限界を克服している。
Sakana AI Namazuのイメージ(出典:StartupHub.ai)
ファインチューニングによる「日本最適化」戦略
Namazuは、DeepSeek-V3.1-Terminus、Llama 3.1 405B、gpt-oss-120Bといったオープンウェイトのファウンデーションモデルをベースに、ポストトレーニング適応技術を用いて開発された。ゼロからモデルを構築するのではなく、既存のフロンティアモデルのコア能力を維持しつつ、日本固有の要件に合わせた調整を施す戦略を採用している。
特筆すべきは、政治的に敏感なトピックに対する応答品質の改善だ。ベースモデルでは72%に達していた質問拒否率が、Namazuではほぼゼロにまで低下。政府の検閲や地政学的な問題についても、客観的かつ多角的な回答を提供できるようになった。
Sakana Chat──Web検索統合のチャットサービス
同時に発表された「Sakana Chat」は、Namazuを基盤としたWeb検索統合型のチャットサービスだ。約1,000人のベータテスターからのフィードバックを反映して開発され、リアルタイムの情報合成機能を備える。国際的なAIトレンドの比較分析なども可能としている。
評価額26.5億ドルの日本発AIスタートアップ
Sakana AIはDavid Ha氏が設立し、2025年11月にはSeries Bで1.35億ドルを調達。ポストマネー評価額は約26.5億ドル(約4,000億円)に達している。GMOインターネットが計算リソースを提供するなど、国内の支援体制も整備されている。
今後の注目点
既存のオープンモデルをベースに地域最適化を行うアプローチは、開発コストの抑制と品質の両立を図る戦略として注目される。一方、ベースモデルの進化速度への追随や、独自の技術的差別化がどこまで維持できるかが今後の課題となるだろう。
参考:StartupHub.ai / TechCrunch

