Metaは2026年3月31日、同社初となる処方箋(度付きレンズ)対応のAI搭載スマートグラス「Ray-Ban Meta」の新モデルを発表した。従来のサングラス中心のラインナップから大きく転換し、日常的にメガネを使用するユーザーへの訴求を強化。さらに日本・韓国・シンガポールなど新市場への展開も明らかにし、ウェアラブルAIデバイスの普及に向けた重要な一歩を踏み出した。

2つの新モデル:Blayzer OpticsとScriber Optics
今回発表されたのは「Ray-Ban Meta Blayzer Optics」と「Ray-Ban Meta Scriber Optics」の2モデル。いずれも処方箋レンズに対応しており、度付きメガネとしてAI機能を日常的に利用できる設計となっている。
設計面では、拡張ヒンジ構造、交換可能なノーズパッド、テンプル(つる)先端の調整機構を採用。顔の形状やレンズの厚みに合わせた細かなフィッティングが可能で、長時間の装着でも快適な使用感を実現している。
処方箋対応は、AIスマートグラスを本当の意味で"毎日使えるデバイス"にするための必須条件だった── Meta
搭載されるAI機能と主要スペック
Ray-Ban Metaには、Meta AI(メタが開発するAIアシスタント)が統合されており、音声操作を通じてさまざまな機能にアクセスできる。内蔵カメラでの撮影、ハンズフリー通話、音楽再生に加え、AIによるリアルタイムのアシスタント機能が利用可能だ。
項目 | 詳細 |
|---|---|
モデル名 | Ray-Ban Meta Blayzer Optics / Scriber Optics |
レンズ対応 | 処方箋(度付き)レンズ対応 |
AI機能 | Meta AI統合、音声操作、AIアシスタント |
カメラ | 内蔵カメラ(写真・動画撮影) |
オーディオ | オープンイヤー型スピーカー、通話・音楽再生 |
設計特徴 | 拡張ヒンジ、交換式ノーズパッド、テンプル調整機構 |
米国価格 | 499ドル〜 |
米国発売日 | 2026年4月14日 |
販売チャネル | Meta Store、光学店 |
日本を含む新市場への展開
Metaは今回の発表と合わせて、Ray-Ban Metaの販売地域を拡大する計画も明らかにした。日本、韓国、シンガポールなどアジア太平洋地域の新市場が対象に含まれており、これまで北米・欧州中心だったウェアラブルAIの展開が大きく広がることになる。
特に日本市場では、メガネの着用率が高く、日常的にメガネを使うユーザーが多いことから、処方箋対応モデルの投入は戦略的に重要な意味を持つ。視力矯正という実用的なニーズとAI機能を組み合わせることで、これまでガジェット愛好家に限られていたスマートグラスの普及層を一気に拡大する狙いがある。
ウェアラブルAIは「特別なデバイス」から「誰もが毎日使うメガネ」へと進化する転換点を迎えている── 業界アナリスト
ウェアラブルAI市場への影響
今回の処方箋対応モデルの発表は、ウェアラブルAI市場全体にとっても大きなインパクトがある。これまでスマートグラスは、サングラス型やファッション性重視のものが中心で、日常的なメガネユーザーにとっては「使いたくても使えない」デバイスだった。
Metaが処方箋対応に踏み切ったことで、AppleのVision ProやGoogleのProject Astraなど、他社のウェアラブルAI戦略にも影響を与える可能性がある。499ドルという価格設定は、Vision Proの3,499ドルと比較すると大幅に手頃であり、より幅広い消費者層へのアプローチが可能だ。
デバイス | 価格 | 形状 | AI機能 |
|---|---|---|---|
Ray-Ban Meta(新モデル) | 499ドル〜 | メガネ型(処方箋対応) | Meta AI統合 |
Apple Vision Pro | 3,499ドル | ゴーグル型 | Siri + Apple Intelligence |
Google Project Astra | 未発表 | メガネ型(プロトタイプ) | Gemini統合 |
今後の展望
Metaは今後、Ray-Ban Metaのラインナップをさらに拡充し、処方箋対応モデルを標準的な選択肢として位置づけていく方針とみられる。ウェアラブルAIが「ガジェット」から「日用品」へと進化する流れの中で、処方箋対応という実用面での障壁を取り除いたことは、市場拡大の大きな推進力となるだろう。
日本市場への展開時期や価格は現時点では未発表だが、メガネ文化が根付いた日本での反応は、ウェアラブルAIの将来を占う重要な指標となりそうだ。


