AIチャットボット市場で大きな地殻変動が起きている。2026年3月、Anthropicの「Claude」がセッション数で1,487%増を記録する一方、OpenAIの「ChatGPT」は市場シェアを86.7%から64.5%へと大幅に落とした。エンタープライズ市場でもClaudeの採用が急拡大しており、AI業界のパワーバランスが急速に変化している。
Claude、DAU1,130万を突破 ─ 年初から183%増
Claudeアプリのデイリーアクティブユーザー(DAU)は3月2日時点で1,130万人に到達し、年初の約400万人から183%増加した。Webトラフィックも前月比43%増、前年同期比297.7%増と急成長が続いており、月間訪問数は約1億5,700万に達している。
ChatGPTのシェア低下は「Web」「モバイル」両方で進行
Similarwebのデータによると、ChatGPTのWebトラフィックシェアは2025年1月の86.7%から2026年1月には64.5%まで低下した。モバイルアプリでも69.1%から45.3%への下落が確認されている。現在の総合市場シェアは約68%と依然として首位だが、競合の追い上げは明確だ。
サービス | 2025年1月シェア | 2026年1月シェア | 変動 |
|---|---|---|---|
ChatGPT | 86.7% | 64.5% | ▼22.2pt |
Gemini | 5.4% | 21.5% | ▲16.1pt |
Grok | 1.6% | 15.2% | ▲13.6pt |
Claude | ─ | 急成長中 | ▲1,487%(セッション数) |
エンタープライズ市場でもAnthropicが急伸
企業の支出データを分析するRampの「AI Index」によると、Ramp利用企業の4社に1社がClaudeの有料プランを導入している。1年前は25社に1社だったことを考えると、ビジネス採用率は400%増加したことになる。特に注目すべきは、初めてAIサービスを導入する企業の約70%がAnthropicを選択しているという点だ。
一方、OpenAIは2月に前月比1.5%減少を記録し、Rampが追跡を開始して以来最大の単月減少となった。
Anthropicの収益も急成長
Anthropicの年間経常収益(ARR)は、2025年末の90億ドルから2026年3月初旬には190億ドル超へと2倍以上に拡大したと報じられている。特にClaude Code単体でARR 25億ドルに達しており、開発者向けツールとしての強さが収益面にも反映されている。ただし、OpenAIのARRは250億ドルと依然として規模では上回っている。
Google GeminiとGrokも急成長
市場のダイナミクスはClaude対ChatGPTの二極構造にとどまらない。Google Geminiは21.5%のシェアを獲得し、前年の5.4%から約4倍に成長した。Elon MuskのGrokも15.2%に達し、前年比約10倍の急伸を見せている。AI市場は「ChatGPT一強」から「複数プレイヤーの群雄割拠」へと移行しつつある。
AI市場全体では、企業の47.6%が何らかのAIサービスを利用しており、AIの業務浸透が着実に進んでいる。今後は各社の差別化ポイント──推論能力、コーディング支援、マルチモーダル対応、価格戦略──が市場シェアのさらなる変動を左右することになりそうだ。
なお、市場シェアデータはSimilarwebやRampなど特定のデータソースに基づくものであり、測定方法によって数値が異なる点には留意が必要だ。
参考:Ramp AI Index / Similarweb / Fortune / TechCrunch

