NTT、サブテラヘルツ帯で2Tbps無線伝送に成功──AIデータセンターの配線制約を崩せるか

NTT、サブテラヘルツ帯で2Tbps無線伝送に成功──AIデータセンターの配線制約を崩せるか

NTTは、屋外100mの環境でサブテラヘルツ帯を用いた毎秒2テラビットの無線伝送に成功したと発表しました。光ファイバー級の大容量を無線で扱う成果で、AIデータセンター内の分散コンピューティングや無線基地局ネットワークへの応用が期待されています。

AIインフラではGPUやCPUだけでなく、ノード間をどう低遅延・低消費電力につなぐかがボトルネックになります。ランキングでもAIチップや推論インフラへの関心が強く、通信技術は見落とされがちな競争軸です。

2Tbps無線伝送は何を変えるのか

今回の成果は、電波の軌道角運動量を利用するOAM-MIMO多重伝送方式と長距離化に必要な技術群によって実現したものです。空間多重処理の多くをアナログ信号処理で行うため、従来のデジタル信号処理に伴う演算遅延や消費電力を数百分の一に抑えられるとされています。

観点

今回のポイント

速度

屋外100mで毎秒2テラビット級の無線伝送

用途

AIデータセンター内通信、RAN、敷設困難な場所の大容量接続

技術

OAM-MIMO多重伝送とアナログ中心の空間多重処理

効果

配線制約、遅延、消費電力の低減が期待される

AIデータセンターで通信が重要になる理由

大規模AIは、単体サーバーの性能だけでは支えられません。多数の計算ノードがデータを交換しながら学習・推論を行うため、ネットワークの帯域、遅延、電力効率が全体性能を左右します。ラック間や建物内で光ファイバーを敷設する場合、工事、配線、レイアウト変更、冷却設計の制約も無視できません。

無線で大容量通信を実現できれば、設備配置の自由度が増し、短期間の増設や一時的な計算クラスター構築にも使いやすくなります。特にAI需要が急増するなか、電源・冷却・ネットワークをまとめて最適化する発想が重要になります。

実用化には安定運用の検証が必要

一方で、データセンター運用に必要なのはピーク速度だけではありません。長時間の安定性、干渉への耐性、既存ネットワークとの統合、障害時の切り替え、セキュリティ設計が求められます。NTTも今後、実環境での長期運用や既存無線システムへの組み込みを見据えるとしています。

AIインフラ競争は、半導体、電力、冷却、通信が一体化する段階に入りました。企業がAI基盤を検討する際も、モデルやGPUの名前だけでなく、データがどこで詰まるのかを見極める必要があります。

参考:AI Watch

この記事に携わった人
Mynto編集部
Mynto.aiの編集部です。
関連記事
お問い合わせ各種

課題解決のためのお役立ち資料ダウンロードや、
サービスのお問い合わせが可能です。
お気軽にご相談ください。